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II. 経験目標
研修の最大の目的は、患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得することにある。
(1) 頻度の高い症状
[01] 全身倦怠感
[02] 不眠
[03] 食欲不振
[04] 体重減少、体重増加
[05] 浮腫
[06] リンパ節腫脹
[07] 発疹
[08] 黄疸
[09] 発熱
[10] 頭痛
[11] めまい
[12] 失神
[13] けいれん発作
[14] 視力障害、視野狭窄
[15] 結膜の充血
[16] 聴覚障害
[17] 鼻出血
[18] 嗄声
[19] 胸痛
[20] 動悸
[21] 呼吸困難
[22] 咳・痰
[23] 嘔気・嘔吐
[24] 胸やけ
[25] 嚥下困難
[26] 腹痛
[27] 便通異常(下痢、便秘)
[28] 腰痛
[29] 関節痛
[30] 歩行障害
[31] 四肢のしびれ
[32] 血尿
[33] 排尿障害(尿失禁・排尿困難)
[34] 尿量異常
[35] 不安・抑うつ
(2) 緊急を要する症状・病態
心肺停止
ショック
意識障害
脳血管障害
急性呼吸不全
急性心不全
急性冠症候群
急性腹症
急性消化管出血
急性腎不全
流・早産及び満期産
急性感染症
外傷
急性中毒
誤飲、誤嚥
熱傷
精神科領域の救急
(3) 基本的な臨床検査
必須項目1.

2.

3. 外科症例(手術を含む。)を1例以上受け持ち、診断、検査、術後管理等について症例レポートを提出すること
※全疾患(88項目)のうち70%以上の経験をすることが望ましい
(1) 血液・造血器・リンパ網内系疾患
貧血(鉄欠乏貧血、二次性貧血)
白血病
悪性リンパ腫
出血傾向・紫斑病(播種性血管内擬固症候群:DIC)


(2) 神経系疾患
脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血))
痴呆性疾患
脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫)
変性疾患(パーキンソン病)
脳炎・髄膜炎


(3) 皮膚系疾患
湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)
蕁麻疹
薬疹
皮膚感染症




(4) 運動器(筋骨格)系疾患
骨折
関節・靱帯の損傷及び障害
骨粗鬆症
脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア







(5) 循環器系疾患
心不全
狭心症、心筋梗塞
心筋症
不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈)
弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)
動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)
静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)
高血圧症(本態性、二次性高血圧症)


(6) 呼吸器系疾患
呼吸不全
呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎)
閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症)
肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞)
異常呼吸(過換気症候群)
胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)
肺癌




(7) 消化器系疾患
食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)
小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻)
胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎)
肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)
膵臓疾患(急性・慢性膵炎)
横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)





(8) 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む。)疾患
腎不全(急性・慢性腎不全、透析)
原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群)
全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)
泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石、尿路感染症)





(9) 妊娠分娩と生殖器疾患
妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)
女性生殖器及びその関連疾患(月経異常[無月経を含む。]、不正性器出血、更年期障害、外陰・膣・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍)
男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍)





(10) 内分泌・栄養・代謝系疾患
視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害)
甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)
副腎不全
糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)
高脂血症
蛋白及び核酸代謝異常(高尿酸血症)



(11) 眼・視覚系疾患
屈折異常(近視、遠視、乱視)
角結膜炎
白内障
緑内障
糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化




(12) 耳鼻・咽喉・口腔系疾患
中耳炎
急性・慢性副鼻腔炎
アレルギー性鼻炎
扁桃の急性・慢性炎症性疾患
外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物




(13) 精神・神経系疾患
症状精神病
痴呆(血管性痴呆を含む。)
アルコール依存症
気分障害(うつ病、躁うつ病を含む。)
統合失調症(精神分裂病)
不安障害(パニック症候群)
身体表現性障害、ストレス関連障害


(14) 感染症
ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎)
細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)
結核
真菌感染症(カンジタ症)
性感染症
胸寄生虫疾患






(15) 免疫・アレルギー疾患
全身性エリテマトーデスとその合併症
慢性関節リウマチ
アレルギー疾患




(16) 物理・化学的因子による疾患
中毒(アルコール・薬物)
アナフィラキシー
環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害)
熱傷




(17) 小児疾患
小児けいれん性疾患
小児ウイルス感染症(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性発疹、インフルエンザ)
小児細菌感染症
小児喘息
先天性心疾患


(18) 加齢と老化
高齢者の栄養摂取障害
老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)


各現場における到達目標の項目のうち一つ以上を経験する。
(1) 救急医療
生命や機能的予後に関わる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対して適切な対応をするために、バイタルサインの把握ができる。
重症度及び緊急度の把握ができる。
ショックの診断と治療ができる。
二次救命処置(ACLS=Advanced Cardiovascular Life Support,、呼吸・循環管理を含む)ができ、一次救命処置(BLS=Basic Life Support)を指導できる。
※ACLSは、バッグ・バルブ・マスク等を使う心肺蘇生法や除細動、気管挿管、薬剤投与等の一定のガイドラインに基づく救命処置を含み、BLSには、気道確保、心臓マッサージ、人工呼吸等、機器を使用しない処置が含まれる。
頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。
専門医への適切なコンサルテーションができる。
大災害時の救急医療体制を理解し自己の役割りを把握できる。
必修項目
救急医療の現場を経験すること担当科
内科、外科、麻酔科(2) 予防医療
予防医療の理念を理解し、地域や臨床の場での実践に参画するため、食事・運動・休養・飲酒・禁煙指導とストレスマネージメントができる。
性感染症予防、家族計画を指導できる。
地域・産業・学校保健事業に参画できる。
予防接種に参画できる。
必修項目
予防医療の現場を経験すること担当科
内科、小児科、産婦人科、健康診断部(3) 地域保健・医療
地域保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む。)について理解し、実践する。
社会福祉施設等の役割について理解し、実践する。
診療所の役割(病診連携への理解を含む。)について理解し、実践する。
へき地・離島医療について理解し、実践する。
必修項目
へき地・離島診療所、中小病院・診療所、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、赤十字社血液センター、各種検診・健診の実施施設等の地域保健・医療の現場を経験すること担当施設
仙台市青葉区保健福祉センター、江川クリニック、老人保健施設トラスト、宮城県赤十字血液センター(4) 周産・小児・成育医療
周産・小児・成育医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、周産期や小児の各発達段階に応じて適切な医療が提供できる。
周産期や小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。
虐待について説明できる。
学校、家庭、職場環境に配慮し、地域との連携に参画できる。
母子健康手帳を理解し活用できる。
必修項目
周産・小児・成育医療の現場を経験すること担当科
小児科、産婦人科(5) 精神保健・医療
精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、精神症状の捉え方の基本を身につける。
精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。
デイケアなどの社会復帰や地域支援体制を理解する。
必修項目
精神保健福祉センター、精神病院等の精神保健・医療の現場を経験すること担当科
精神科(東北会病院)(6) 緩和・終末期医療
緩和・終末期医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、心理社会的側面への配慮ができる。
基本的な緩和ケア(WHO方式癌疼痛治療法を含む。)ができる。
告知をめぐる諸問題への配慮ができる。
死生観・宗教観などへの配慮ができる。