減量治療・総合支援センター
ご挨拶
当ホームページをご覧頂きありがとうございます。
東北労災病院では、地域の皆さまの健康を支えるため、肥満症に対する総合的な医療支援を提供しています。
肥満症は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな病気の原因となり、日常生活に支障をきたすだけでなく、生活の質(QOL)や健康寿命にも大きく影響します。
当センターでは、内科医に加え、リハビリテーション科専門医が早期から関与し、運動療法を含めた多角的な支援を行います。
また、条件を満たした方には、最新の薬物療法やスリーブ状胃切除術などの外科的治療も選択肢としてご提案しています。これらの治療は、保険診療の範囲内で受けることができます。
私たちは、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士など、多職種の専門職が連携するチーム医療で、皆さまの「健康的な生活の実現」を全力でサポートします。
減量治療・総合支援センター長
田中直樹
当センターの特色
医師・治療体制
- 内科から外科までシームレスな診療体制
- 経験豊富な内科専門医による丁寧な診療
- GLP-1受容体作動薬など最新の薬物療法も選択可能
- リハビリテーション科専門医による運動療法支援
- 外科手術(スリーブ状胃切除術)も選択可能
チーム医療の強み
- 医師・管理栄養士・理学療法士・看護師など多職種によるチームサポート
- 病状とご希望を考慮し、一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療プラン
総合病院ならではの安心感
- 他科専門医との連携で肥満関連合併症の対策も万全
- 検査・入院・手術までワンストップ対応
治療の概要
初診の患者様は、内科(糖尿病・内分泌・高血圧内科)の「減量外来」から診療を開始します。
内科医師による診療に加え、管理栄養士が以下のサポートを行います
- InBodyによる体組成検査
- 食事摂取量の調査
- 食事指導
- リハビリテーション科専門医による運動指導を受けることも可能です。
- 手術をご希望の方は、外科医との面談も御案内しておりますので、ご遠慮なくご相談ください。
- 肥満に関連する疾患については他科の専門医と連携しながら診療を進めてまいります。
- 糖尿病のコントロールや集中的な減量を目的として、一時的な入院治療をご提案する場合もございます。
- GLP-1受容体作動薬(ウゴービ®・ゼップバウンド®)や減量手術は、保険の規定により6ヶ月以上の内科的治療を継続した後に受けることが可能となります。
治療の内容
内科治療
初回の外来で体の成分を詳しく分析し、食事内容の聞き取りを行います。 患者さんの食習慣や運動習慣、日常生活パターンを分析した上で個別に計画書を作成します。
また、肥満にはホルモンの異常や薬の副作用、遺伝疾患などによる特殊なケース(二次性肥満)もみられます。二次性肥満の場合には治療法が異なりますので、まずは該当していないかの検査を初回か2回目の外来で行います。内分泌専門医が在籍しており二次性肥満が見つかった場合にはそれぞれの原因に応じた治療を行うことができます。
二次性肥満でなかった場合には通常の肥満症治療を継続します。
当科では糖尿病専門医、内分泌専門医、高血圧専門医が外来もしくは入院にてお一人一人にあわせた薬物治療を行っております。
体重管理の基本は食事、運動療法、生活習慣の改善であり、どんなに優れた薬剤があってもその効果を最大限に発揮するためには非薬物療法を併せて行っていくことが重要です。
薬物療法のみでの減量では一度体重を減らすことができても生涯にわたってリバウンドせずに維持することが難しいとされます。
長年にわたり当科では肥満症治療を行ってまいりました。外来だけでなく入院での対応も可能です。
肥満を疾患や将来の疾患発症リスクと捉え、患者さんの健康を増進していくお手伝いができるよう管理栄養士や看護師と協力してサポートしてまいります。
運動療法
リハビリテーション科では、これまでの薬物療法、栄養指導を含む食事療法に加え、運動療法の観点から、皆様の健康的な減量の導入ならびに維持をお手伝いいたします。必要時には整形外科などとも連携し、膝や腰などの疾患などにつき相談しながら、有酸素運動や筋力トレーニングなど、最適な運動療法の設定ならびに体力の回復に即した運動負荷を実施してまいります。
外来治療でも、入院生活でも担当の理学療法士が医師との連携のもと、適切なアドバイスをしながら、減量と体力の維持・回復を図ります。
最新の外科治療を受けられた方においても、術後の廃用症候群の予防を進めつつ、早期の日常生活・社会復帰のため、運動療法を進めます。
また、運動療法の重要な点は、食事療法と同様に、継続です。当センターで多職種が連携しながら、その方に即した内科的治療・食事療法の継続と共に、運動療法の継続をサポート致します。行動変容を一緒に実現していきましょう。
外科治療
肥満症の治療は、生活習慣の改善や薬による治療だけでは十分な効果が得られないことがあります。そのような場合には、外科的治療(減量・代謝改善手術)も選択肢のひとつです。 当センターでは、スリーブ状胃切除術を行っています。
これは、腹腔鏡をもちいた身体への負担の少ない手術で、胃の膨らんだ部分を切除し、細いバナナ状に形成します。
この手術により、胃を細く小さくすることで自然に食事量が減り、食欲を高めるホルモンの分泌も抑えられることが知られています。
標準的には、治療前の体重から20〜30%程度の減量が期待でき、糖尿病などの肥満に関連する病気の改善にもつながります。
また、これらの効果が長期的に維持できることが、手術治療の大きな特徴です。
保険診療のルールで、BMIが32以上の方が手術の対象となります。
「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、たくさんいらっしゃいます。
無理に手術をお勧めすることはありませんので、ご興味がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
スタッフ紹介
- センター長 田中直樹
- 消化器外科部長/院長補佐
- 日本肥満症治療学会 評議員・学会誌編集委員
- 肥満症治療ガイドライン 2024 ガイドライン作成委員
- 日本内視鏡外科学会 技術認定(胃)
- 日本外科学会 指導医・専門医
- 日本消化器外科学会 指導医・専門医
- 副センター長 鴇田藍
- 糖尿病・内分泌・高血圧内科部長、糖尿病・内分泌・高血圧センター長
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 日本糖尿病 学会専門医
- 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医
- 日本糖尿病学会指導医
- 臨床研修指導医
- 日本内分泌代謝・糖尿病内科領域専門研修指導医
- 副センター長 原田卓
- リハビリテーション科部長
- 日本リハビリテーション医学会専門医・指導医
減量の実現には、長期的な取り組みが必要です。
患者様の病状やご希望に合わせて、最適な治療を提供できるよう、チームが一丸となり、全力であなたをサポートします。