眼科
診療科の特色
眼科全般の診療を行っていますが、特に
- 白内障手術の適応となる患者さんを連携医から多数紹介され、診療しています。
- 網膜硝子体疾患の診断・治療を要する患者さんを多く診療しています。
- 角膜疾患、ドライアイ、緑内障も診療いたします。
- 外来での待ち時間緩和のため、治療後病状が安定した場合は、かかりつけ眼科医と連携をとって診療しています。(地域医療連携)
患者さんへのお願い
当科を受診される方は、原則として紹介状が必要になります。
かかりつけ医から、それまでの検査所見や治療経過などの診療情報(紹介状)を提供していただくことで、当院での検査や治療を円滑に行うことができます。
かかりつけ医からのご紹介の場合、地域医療連携室で予約を取っていただくことをお勧めいたします。そうすることで、検査・診察までの待ち時間が短縮できます。
以下の情報は診療を円滑に進めるために大変重要ですから、初めて受診される方は準備して受診されることをお勧めいたします。
- これまでにどんな病気になったことがあり、どの病院で治療しているか。
- 治療のために現在飲んでいるお薬。おくすり手帳のある方は持参してください。
- これまでに体に合わなかった薬があるか。あればその薬の名前。
病気によって、散瞳検査(点眼薬で瞳孔をひろげ、水晶体、硝子体、網膜を診察すること)が必要になり診察時間が長くなります。また、散瞳検査のあとは数時間、まぶしくなったり、ピントが合わなくなったりします。患者さん本人による自転車、バイク、自動車の運転に支障をきたしますので、公共の交通機関または付き添いの方の運転で来院されるようお願いいたします。
病状によっては、早期に診断・治療が必要な場合があります。その際は1日がかりの検査となる場合がありますので、患者さんおよび付き添いの方のご理解とご協力をお願いいたします。
治療後、病状が安定したときは、ご紹介していただいた眼科、またはご希望する眼科で定期的な診察を受けていただけるよう紹介状をお書きいたします。
診療体制
検査
月 (手術日) |
火 (手術日) |
水 | 木 (手術日) |
金 | |
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午前 | 新患 再診 |
新患 再診 |
新患 再診 |
新患 再診 |
新患 再診 |
午後 | 再診 手術 |
手術のため 外来診療は ありません |
再診 | 手術のため 外来診療は ありません |
再診 |
※表は横にスクロールできます。
新患は原則紹介状が必要です。再診は完全予約制です。
休診の予定は、こちら外来休診予定表をご覧ください。
専門分野
- 白内障
- 目の中のレンズである水晶体が濁るのが白内障です。白内障の原因は、加齢によるものがほとんどですが、内科疾患や眼科疾患に続発するもの、網膜硝子体手術などの眼科手術後に進行する場合や薬の影響で進行する場合もあります。白内障が進行すると、霧がかかったようにぼやけて見ずらくなったり、光がまぶしくなったりします。視力が低下して運転免許の更新ができない、テレビの字幕や新聞の文字が読めなくなったなど、日常生活において不自由があれば手術で治療します。特に症状がなくても緑内障発作を予防する目的で手術が必要となる方もいます。(閉塞隅角症)
- 治療は手術ですが、ほとんどが小切開による超音波乳化吸引術を行っています。目の状態に応じて乱視用の眼内レンズも使用しております。入院(局所麻酔は1泊2日、全身麻酔は2泊3日)、または日帰りで手術治療を行っております。全身的なリスクの高い方や、遠方や高齢などで通院が困難な方、車いすの方への対応も可能です。閉所恐怖症などで局所麻酔での手術が困難な場合は、全身麻酔での手術も可能です。
- 手術後に眼内レンズを支えてる水晶体の膜(後嚢)が濁ってくることがあり、後発白内障と呼ばれています。進行すると白内障と同じような症状がでてきます。YAGレーザーを用いて混濁した後嚢を切開することで視力回復します。
- 緑内障
- 緑内障は我が国の失明原因の第一位であり、40歳以上の日本人の20人に1人の割合で緑内障の患者さんがいると推定されています。
- 緑内障の原因はまだ十分解明されていませんが、視神経が障害されることにより視野がせまくなる病気です。
- 気が付かないうちに障害が進行し、かなり進行するまで自分で視野の異常に気づかないことも多く、一度視野がせまくなると元には戻らないため、早期診断、早期治療がたいへん重要となります。
- 40歳を過ぎたら人間ドックや健診などで眼底検査を受けることをおすすめ致します。視野障害の進行を抑制するために、眼圧を十分下げる治療を行います。主に目薬で治療します。
- ドライアイ
- ドライアイとは、目の表面の涙の安定性が低下することにより、目の不快感や見ずらさなどの異常を生じる病気です。目薬の治療の他、目頭にある涙の出口(涙点)に栓をする涙点プラグの治療も行っています。
- 加齢黄斑変性
- 物を見るときに最も大切な働きをする部分を黄斑部といい、網膜の中心にあります。この黄斑部が正常に働くことで色や形の判別を行うことができ、良い視力を維持できます。加齢にともなってこの黄斑部に様々な異常が生じた状態を加齢黄斑変性といい、萎縮型と滲出型に分類できます。
- 萎縮型は、長い時間かけてゆっくりと視力が低下していきます。滲出型は、網膜の下の脈絡膜に脈絡膜新生血管とよばれる異常な血管が発生して黄斑に出血や浮腫が生じて視力が低下します。出血によって急に視力が低下することもあります。当科では、主に新生血管の成長を抑える抗VEGF薬の硝子体内注射による治療を行っています。
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病網膜症は糖尿病の3大合併症のひとつで、我が国では成人の失明原因の上位となっています。高血糖が長く続くと、血管を構成する細胞が障害され、血管は変形しつまりやすくなります。
- 血管がつまると充分な酸素が網膜にいかず、新生血管を生じ酸素不足を補おうとします。新生血管は脆弱で容易に出血して視力が低下したり、網膜剥離や緑内障を引き起こし失明に至ることもあります。また、糖尿病黄斑浮腫も視力低下の要因となります。
- 病状に応じて網膜光凝固術(レーザー)、抗VEGF薬の硝子体内注射、ステロイドの眼局所注射などの治療を行っています。
- 網膜静脈閉塞症
- 網膜に栄養を供給するために網膜には動脈と静脈が網目のように走っています。網膜静脈の血流が、何らかの原因で途絶えてしまう病気が網膜静脈閉塞症です。
- 原因として、硬化した動脈と交叉する静脈が圧迫され、血栓などがつまることが考えられています。糖尿病、高血圧、血液疾患のある方におこりやすいといわれています。
- 循環不全に陥った網膜にレーザーによる網膜光凝固術を行ったり、黄斑浮腫に対しては、抗VEGF薬硝子体内注射やステロイドの眼局所注射を行っています。
- 病的近視における脈絡膜新生血管
- 近視が強い場合、視機能障害をきたす近視性病変(病的近視)が発生する場合があります。脈絡膜新生血管が発生した際は抗VEGF薬の硝子体内注射による治療を行っています。
- 網膜裂孔
- 網膜剥離への進行を予防するため、病状に応じて網膜光凝固術(レーザー)を行っています。網膜剥離となり手術が必要となった場合は、東北大学病院など専門施設へご紹介しております。
特殊治療
- 抗VEGF薬の硝子体内注射
- 滲出型加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、血管新生緑内障などの適応疾患に対して、抗VEGF薬の硝子体内注射を行っています。外来通院で治療できます。
- 弱視児に対する視能訓練
- 視能訓練士が担当します。
ロービジョンケア
病気やけがなどで視機能(視力や視野等)の低下やその可能性がある場合、眼科では、その治療を行います。治療によって眼の状態を正常に近づけることができれば、視力や視野は改善します。
しかし、現代医学で最善の治療法を行っても視覚障害に至ることもあります。そのようなときに少しでも保持されている視機能を最大限に活用し、患者さんが自立して、できるだけ快適な生活を送れるよう支援する眼科医療や福祉のことを、ロービジョンケア(low vision care)と言います。
当科では、患者さんの視機能評価をした上で視覚補助具の紹介と処方と使用法の指導・各種手続きの指導・関連施設の紹介等を行っております。主に視能訓練士が担当します。
主な検査・医療機器
光干渉断層計(OCT、OCTA)、眼底撮影装置(FA・IAが可能)、前眼部撮影装置、ハンフリー視野計、ゴールドマン視野計、超音波診断装置、アイケア手持ち眼圧計、光学的眼軸長測定装置、スペキュラーマイクロスコープ(角膜内皮細胞撮影装置)、レーザーフレアメーター、波面センサー、ヘスチャート、ヘルテル氏眼球突出度計、中心フリッカー値測定装置、網膜電図(他局所網膜電図も可能)、視覚誘発電位検査装置、レーザー装置(パターンレーザー、YAGレーザー)、超音波白内障手術装置
臨床研究について
治療効果を振り返り、治療成績を改善させるために臨床研究はとても大切です。臨床研究には患者さんの検査結果が必要になります。当科で治療している患者さんの検査結果は、個人が特定されないよう充分配慮して、学会や論文で発表することがあります。
また、研究課題によっては倫理委員会の承認を得た後に行う場合があります。検査結果を使用してほしくない場合は申し出ていただければ使用いたしません。また、そのような申し出があっても診療内容に影響することは決してありませんのでご安心ください。
診察実績
手術の種類 | 件数 |
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外眼手術 | 41 |
内眼手術 | 787 |
(内訳)白内障手術 | 727 |
レーザー手術 | 117 |
(2023年3月現在)
眼科 スタッフ紹介
[眼科部長]
植松 恵(平成6年卒)
専門分野 | 角膜ドライアイ、白内障 |
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所属学会、学位・認定等 | 日本眼科学会眼科専門医、日本眼科医会、日本角膜学会、日本眼炎症学会、日本涙道・涙液学会、臨床研修指導医、難病指定医(専門医)、視覚障害者用補装具適合判定医師研修会終了 |
患者さんへのメッセージ | 患者さんに納得して治療を受けて頂けるように、わかりやすい説明を心がけています。 |
[眼科医師]
内田 惠子(平成28年卒)
専門分野 | 眼科 |
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所属学会、学位・認定等 | 日本眼科学会眼科専門医、日本眼科学会、日本緑内障学会 |
患者さんへのメッセージ | 丁寧な説明とひとりひとりに寄り添う診療を心掛けています。 |
視能訓練士
視能訓練士は昭和46年に制定された『視能訓練士法』に基づく国家資格を持った医療技術者です。眼科で医師の指示の下に視機能検査を行うと共に斜視や弱視の治療にも携わっています。
業務内容
- 眼科一般分野の視機能検査・・・視力・視野・屈折・調節・色覚・眼圧・眼位・眼球運動・瞳孔・涙液・超音波・電気生理・写真撮影など
- 眼科専門分野の訓練指導・・・両眼視機能の異常を持つ斜視・弱視の患者さんへの視能訓練および検査
- 集団検診視機能スクリーニング
- 視力低下者リハビリ指導(ロービジョンケア)
(2018年4月更新)